高校を卒業後、新卒で入社。以来、製造部第二鋳造班にて一貫して鋳造の現場に携わり、今年で12年目を迎える。現在は主に製品の原型となる「砂型」の造型を担当。高い精度が求められるレース用部品など、難易度の高い案件も数多く経験し、確かな技術を磨いてきた。試行錯誤を繰り返しながらより良い製品づくりを目指す姿勢は、まさに職人。今後は後進の育成や、他工程の技術習得にも意欲を燃やす。
※本記事は2025年11月に取材したものです。所属は取材当時の内容です。
※社員のプライバシー保護のため、イニシャルを使用しています。
高校を卒業後、新卒で所沢軽合金に入社しました。気づけばもう12年目になります。現在は製造部の第二鋳造班に所属しており、主に木型に砂を詰めて「砂型」を作る部署にいます。休日はバイクに乗るのが趣味です。天気が良い日はツーリングに出かけたり、目的もなく気の向くままにバイクで喫茶店めぐりをしたりしてリフレッシュしています。
私の仕事は、まず「木型」と呼ばれる製品の原型に、専用の砂を詰める作業から始まります。次に、その砂に炭酸ガスを吹きかけて砂を硬化させます。これは、この後の工程で溶けたアルミの圧力や熱に耐えられるよう、砂型を頑丈にするための重要な工程です。
砂がしっかりと固まったら、木枠を外し、慎重に木型から砂型を抜き取ります（脱型）。こうして完成した砂型に、高温で溶けたアルミニウムを流し込み、冷やし固めることで、私たちが作る製品の原型ができあがります。
やはり、レース用の高性能な部品の造型に携わったことです。こういった部品は形状が非常に複雑で、高い精度が求められます。特に、細部の砂の詰め加減が難しく、少しでも甘いと製品に欠陥が出てしまうため、非常に苦戦しました。
どうすればうまくいくか、自分なりに砂の詰め方や力の入れ具合を工夫し、試行錯誤を重ねて、最終的に完璧な造型に成功した時は、本当に嬉しかったですし、大きな自信になりました。
基本的なことですが、他の作業者への「声掛け」を徹底して意識しています。私たちの仕事は、一人で完結するものは少なく、複数のメンバーが連携して進めることがほとんどです。
ちょっとした思い込みや確認不足が、作業の遅れや品質の問題につながる可能性もあるため、情報の行き違いが絶対にないように、こまめにコミュニケーションを取ることを大切にしています。
日々の作業の中で、自分の技術が向上していると実感できた時です。例えば、以前は造型に30分かかっていた作業があったとします。それを何度も経験し、どうすれば効率よく、かつ精度高くできるかを考えるうちに、同じ作業が20分でできるようになった。そういった瞬間に、「ああ、自分も成長できているんだな」と感じることができます。
今後は、現在所属している部署の作業だけでなく、他の部署の作業にも積極的に挑戦していきたいと考えています。鋳造は多くの工程を経て一つの製品が完成します。
全体の流れを知ることで、自分の専門である「造型」という仕事への理解をさらに深めていきたいですし、会社にとっても、複数の工程を理解している人材は強みになると思っています。
私自身がそうであるように、車やバイクが好きな方、そして純粋に「ものづくり」に興味がある方なら、きっとこの仕事にやりがいを感じられると思います。専門的な知識や技術は、入社してからいくらでも学べます。興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
チーム全員で朝礼を行い、当日の作業内容や安全事項を確認します。
木型への砂詰め（造型）、硬化後の型外し（脱型）、そして溶湯の注湯（湯入れ）と、鋳造の主要工程を進めます。
食堂でお弁当を食べたりしてリラックス。午後の作業に備えます。
午後も引き続き鋳造作業を行います。複数の案件を並行して進めるなど、効率を意識して作業します。
小休憩で水分補給。集中力を維持するためにリフレッシュします。
一日の作業を終え、使用した道具の手入れや作業場の清掃を入念に行います。
日報を記入して業務終了。趣味やプライベートの時間を楽しみます。